350種を数えるゾウの仲間(長鼻類)で最も大きかったのは、ヨーロッパのステップマンモスか北アメリカのインペリアルマンモス mammuthus imperator だとの声が高い(1980年に内モンゴルで発見された松花江マンモス Mammuthus sungari も同じくらい大きかった)。
 帝王マンモスは更新世後期に合衆国中西部に生息していた(11000年前まで生存していた)。特に保存状態の良好な骨格が、ロサンゼルス Rancho La Brea のタール抗で見つかっている。

 ネブラスカ州もマンモスの化石が多数(93件)発見されており、state fossil とされている。1915年に Franklin で発見されネブラスカ州立大学に保存されているインペリアルマンモス(肩高4.1m)の牙()は長さが左右それぞれ419cmと414cm、重さは両方で226kg、一対の象牙としては世界最大の標本である(Guinness World Record)。

 1922年には Lincoln で肩高4.3mの骨格が見つかり、これもネブラスカ州立大学に展示されている(state fossil)。

 単独ではもっと長い牙、もっと重い牙も存在する。たとえば1933年にテキサスで見つかったインペリアルマンモスの牙は先端が少しかけているがそれでも長さ4.9mもあり、根元の周囲は61cm(ニューヨーク自然史博物館所蔵)。1935年にやはりテキサスで発見されたインペリアルマンモス(肩高4.1m)の牙は長さ4.7m、根元の周囲63cm、重さ154kgもあるという(Natural History, 1935)。


インペリアルマンモスとアフリカゾウ(手前)の比較。前脚が長く肩が高いマンモスの体型が目立つ。

 インペリアルマンモスと同時代の住人にコロンビアマンモス Mammuthus columbi があり、肩の高さ3.7m前後。牙は3.5mに達した。どちらもヨーロッパから北アメリカに渡ってきた南方マンモス Mammuthus meridionalis の子孫でインペリアルマンモスは合衆国中西部、カリフォルニア、テキサスからネブラスカにかけて生息し、コロンビアマンモスは(カナダ北西部でも見つかっているが)主に合衆国東部からメキシコに分布していた。メキシコまで南下した唯一のマンモスである(expedicion)。両者は牙の形によって区別できるといわれるが、同一種だとの説もある。どちらも比較的暖かい時代に草原にすんでいていわゆる温帯のマンモスに属し、体毛は薄かっただろう。

ユタで発掘されたコロンビアマンモスの骨格
 肩高3.4m(Royal Alberta 博物館

 更新世後期の北アメリカには、コロンビアマンモスやインペリアルマンモスと共に、ウーリーマンモスも生息していた。しかし寒帯のマンモスであるウーリーマンモスはその耐寒性故にあまり南下しなかったようである。
 1923年にカリフォルニア北部で3個の臼歯が発見され、ウーリーマンモスのものだと鑑定された。しかしこの臼歯をコロンビアマンモスのそれと詳細に比較した結果、この鑑定は覆され、コロンビアマンモスの歯だということになった。ウーリーマンモスの分布はカリフォルニアまでは届いていなかった(R. I. Davies, 2005)。
 コロンビアマンモスはユーコンからメキシコまで分布していたが、ウーリーマンモスの化石はアラスカと合衆国中部に集中しており、カナダでは少ない。合衆国産のウーリーマンモスについては疑わしいとする向きもあった(Madden, 1981)。


群馬県立自然史博物館

 2004年にメキシコで大きなコロンビアマンモスの頭骨や牙(197cm)が発見されている。およそ10万年前の老雄(推定80歳)で発掘に当たった古生物学者、Ruben Guzman によれば長さ115cm。これまでにメキシコで見つかっている最大の頭骨(94cm)を大きく凌駕している。頭骨しか見つかっていないが高さ5m(?)近くもあっただろうという(Planeta Azul)。
※ Wikipedia でマンモスを編集されている Asier Larramendi さんから知らせていただきました。

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